内田樹「そのうちなんとかなるだろう」

投稿者: KEN COACH 投稿日:

 

 内田樹氏の最新刊。

 これまでの内田氏の著作は評論が中心だったが、こちらは氏の半生記だ。生まれてから現在まで、どのような人生を歩んできたかが述べられている。

 高校を中退して大検で大学受験をした、ということは知っていたが、小学校を転校したり、大学院に3回連続で落ちたり、8年連続で32件の教員公募に落ちたり・・・といった事実は同著を読んで初めて知った。

 また平川克美氏と共同で創業した翻訳会社「アーバン・トランスレーション」の創業時のエピソードや、お兄さんが起業した会社を売却した話なども載っており非常に面白い。

 内田樹氏が自身の道場を開くにあたって、2008年の春に内田氏のお兄さんが会社を売却したらしい。それよりも25年ほど前にお兄さんが起業する際に内田氏も出資しており、リーマンショックの直前で結構な値段で売れたようだ。またご母堂も多額を出資し、売却時にはかなりの額になったので、道場用の土地を息子のために購入したということのようだ。そのあたりの事情が書かれており、興味深く読んだ。

 タイトルも「そのうちなんとかなるだろう」というものだが、全編を通じてそのスタンスというか空気で満ちており、あとがきにも「というわけですので、この本はできたら若い方に読んでいただいて、「こんなに適当に生きていてもなんとかなるんだ」と安心してほしいと思います。」と書かれている。なにかと多忙な日々の合間に読み、息抜きになるおすすめの一冊だ。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。