イランの産業構造の変化と、上海協力機構について【アーカイブ】

この記事は2021年10月8日にはてなブログに投稿したものだが、自前サーバーに保管しておくため再掲する。

 上海協力機構(Shanghai Cooperation Organization: SCO)にイランが加盟した。SCOは2001年に設立された政治経済安全保障のための共同体で、中国、カザフスタンキルギスタン、ロシア、タジキスタンウズベキスタン、インド、パキスタン、それにイランが加盟している(加盟した9月17日はちょうどSCOの設立20周年記念日でもある)。加盟プロセスが完了するまでには最大2年かかると言われているが、この9ヵ国で世界人口の40%、世界GDPの28%を占めることになる巨大な共同体である。(What’s in it for Iran? Three Ways Tehran Will Benefit From Joining Shanghai Pact

 イランはすでに三月、中国との間で25年間に及ぶ戦略的パートナーシップ協定に署名している。ロシアとも同様の行動計画を策定しており、2021年4月12日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣とイランのムハマド・ジャバド・ザリフ外務大臣との間で、経済協力のための行動計画に署名すると発表した。(Iran and China sign 25-year cooperation agreement)(Iran, Russia to sign two important documents

 イラン・ロシアはいずれも南北輸送回廊(North South Transport Corridor: NSTC)で重要な位置に存在している。NSTCはロシア・モスクワとインド・ムンバイを結び、アゼルバイジャンとイランを経由する7,200kmの輸送路である。イラン国内での同輸送路の長さは2,000kmに及び、戦略上非常に重要だ。この回廊は既存のスエズ運河経由のルートを代替するもので、輸送コストを30~60%削減し、輸送日数を40日から20日に短縮することが見込まれている。イランはすでに、多言語対応のオンライン企業間ECプラットフォームであるZoodelを立ち上げ、交易のネットワーク構築を着々と進めている。

 背景には米国の制裁を回避するために、非石油産業を振興したいイランの思惑がある。2017年には、イランのGDPのうち17%が石油によるものであったが、2020年度の会計では、イランの非石油輸出は史上初めて石油輸出を上回った。非石油輸出のうち約半分が製造業によるものである。非石油部門の輸出は4ヶ月で47%も成長している。イランの非石油製品の主な輸出先は、中国、イラクアラブ首長国連邦UAE)、トルコ、そしてアフガニスタンである。直近の今年9月28日には、今年の最初5ヶ月の家電製品の生産量は8.7%増加していることが報じられた。(Iran’s non-oil trade rises 47% in 4 months yr/yr)(Home appliance production increases 8.7% in 5 months on year

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