1月15日、トンガ付近の海底火山で噴火が起きた。これを受けて日本でも深夜に津波警報が発令されたが、神奈川県では同内容のメールが多数配信されるという事態もあったようだ。

神奈川県では、県民のスマートフォンなどに津波の情報を伝えるエリアメールが未明から朝にかけて、一部の人に20回以上届いた。その多くが同じ内容だったという。  神奈川県などによると津波警報や注意報が出た際に、県が住民に警報音とともにエリアメールで内容を知らせる。このメールが未明から朝にかけて、一部の県民に20回以上届いた。その多くが同じ文面だった。また津波の緊急速報メールが繰り返し配信された理由は、災害情報管理システムの設定ミスだったことが判明。県によると、原因はプログラムの2つの設定ミスだった。まず、本来は津波警報でメールを配信するところを注意報で配信される設定になっていた。もうひとつは、神奈川県の情報だけでなく、全国の津波情報が更新されるたびにメールが配信される設定になっていたという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8a8a6e790a66f895d74391af6700aedc21981f22

 単なるエラーによって同じメールが配信されたのではなく、「全国の津波情報が更新されるたびに配信される設定になっていた」ということは本来気象庁が出している情報が更新されるたびにメールが配信されるようになっていただけということになる。ものすごい邪推をすれば、神奈川県という首都圏だけに限定して、繰り返し断続的にアラートを鳴らすと人々がどう行動するのかのシミュレーションをしていたと取れなくもない。もともと全国規模で配信される情報だったのだから、これを全国に拡大することは極めて容易だ。


 上空からの写真を見ると、噴火というよりも核爆発ではないかという印象も受けるが・・・。今回の噴火の爆発は広島の原爆1000発分という話も出ている。1883年のインドネシア・クラカタウの噴火は水爆4発分らしい。(https://www.smh.com.au/world/oceania/the-equivalent-of-1000-hiroshima-bombs-world-watched-a-tremendous-explosion-in-tonga-20220116-p59oka.html)技術の進歩を考えれば、人為的なものである可能性は捨てきれない。まあこれが噴火であれ原爆によるものであれ、いずれにせよ今後は火山灰による寒冷化と食料危機の深化が進展していくことになる。


 火山灰を起点にする食料危機には日本でも前例があり、1993年に冷夏に伴う米騒動がそれだ。これは1991年ピナツボ山の噴火に伴う寒冷化が影響だと言われている。

(こちらの動画を参照:https://www.youtube.com/watch?v=Nndf2ARVV20

 パンデミックの騒動の次は、エネルギー危機、食料危機、インターネットの大規模障害(サイバー攻撃含む)だ。いまは「次」が始まるフェーズに差し掛かりつつある。

 カザフスタンの暴動も、その背景にあるものは100%特定することはできないが、いずれにせよ成り行きとしてはウラン価格が上昇していく方向に進むだろう。カザフスタンには世界最大のウラン生産会社であるカザトムプロムがある。大手メディアは一切触れていないが、エネルギー地政学という観点から見ると天王星=ウラノスと同じ名前を持つウランは太陽系のエネルギー調和を考える上で重要な資源だ。


 2020年9月15日の記事だが、こんな記事も出ている:https://weissratings.jp/1975

 これによれば、世界原子力協会が公表している予測では2023年ごろからウランの需給ギャップが拡大し続けることになっている。

世界では、新規建設中の原子力発電所がアジアを中心に48基ある。これらは、欧州全域で段階的に廃止されている発電所を補うに十分すぎるほどの数だ。…特に、ウランを使用している電力会社が、ウランの「買い控え」、つまり、消費量をカバーするのに十分な長期契約を結んでいないことを考慮に入れれば、なおさらだ。…その代わりに、スポット市場でウランを買っている。供給の抑制があるまでは、それで大丈夫だろう。…あるウラン会社によると、各電力会社は、年間9,000万ポンドの「買い控え」を行っており、私は遅かれ早かれ、それが市場に現れるだろうと考えている。…「予備の」ウランを買いに行って、商品がないことに気づく電力会社も出てくるだろう。 一方、グローバルXウラニウムETF(URA、格付け「D」)は、確実に誰かが高値を予想しているような動きをしている。

 元レポートと思われるものはこの辺のサイトから買うことができるが、800ポンド以上するので石油王の人は買ってください。https://www.world-nuclear.org/our-association/publications/global-trends-reports/nuclear-fuel-report.aspx

ウランはスポット取引、つまり必要になったら買うというジャストインタイム的な購入がされており、ウランを買い溜めている業者は少ない、ということのようだ。Weissratingsの記事はウランのETFを買うのがいいだろう、という分析記事になっているが、ちょうど2023年からウランの需給ギャップが拡大することが予測されている中で、2022年1月に世界最大のウラン生産国で政情不安に陥るというのはどういうことだろうか。

ウランの需給ギャップ予測。2023年ごろから需給ギャップが拡大することが予測されている(出典:https://weissratings.jp/1975)


 原子力発電している国以外も、原子力発電で電気を賄っている国での生産コストが上昇することを通じて影響を受ける。現在海運業界でも脱炭素に向けたゼロエミッション船の開発に取り組んでおり、その動力の最右翼はもちろん原子力だ。2021年11月の記事:https://merkmal-biz.jp/post/4386

 すでに天然ガスや石油で起こったとおり、資源高は物流コストや原材料価格、燃料価格を上昇させ、じわじわとインフレを亢進させる。世界景気の先行きは暗く、しばらくはスタグフレーションが続くだろう。今後10数年は景気が回復しないかもしれない。


 自家農園とか家庭菜園とかを作るなり、保存食を確保しておくなりする必要があるかもしれない。また、ネットにコミュニケーションや娯楽、生活を依存せず、電話回線や手紙、対面など、ネットを介さない回路も確保しておく必要があるだろう。

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