こんにちは。KENさんです。

 先日副島隆彦氏の「アメリカ騒乱に動揺しながらも中国の世界支配は進む」「ディープステートとの血みどろの戦いを勝ち抜く中国」という本を読み、いかにマスコミの論調にだまされて中国経済の勉強を怠っていたかということを痛感しまして、ここ数日は中国・ユーラシア関連の本を読み漁っておりました。

 ドルによる一極支配が終焉を迎え、ユーラシアを中心とした多極化の時代に向かうという大まかな流れとしては確かにその方向に動いていますが、じゃあその中でどういうふうに商売や投資を考えればいいのかということになると、特に西側の情報源というのはあまり当てにならない。ユーラシアの企業を扱った記事やコンテンツがあっても、多くはイデオロギー的な見方や党派性の強い論調に終始しており、「それを知った日本の投資家が何を買えばいいのか」という運用戦略を考えるのに役立つ観点からは記述されていません。

 読んだ本のなかにはパラグ・カンナ『アジアの世紀 持続性の未来』というものがありまして、2019年に出たこの本の中には日本で普通に生活していると触れることのないユーラシア大陸の政治経済的出来事の事実が多く書かれており、得るところは多いと思います。

 著者のパラグ・カンナ氏は1977年インド生まれで、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで博士号取得、ニューアメリカ財団研究員、世界経済フォーラム(WEF)のヤング・グローバル・リーダーという、経歴からみてもゴリゴリのあちら側なわけですが、グーグルやマイクロソフトのCEO(イーロン・マスクにクビにされたツイッターのCEOも)がインド人で、西側の経済制裁がロシアやインド、中国を経済成長させるのに貢献していることなど、状況証拠からみて世界の覇権をユーラシアに移していく方向で進んでいるのは明らかです。この「アジアの世紀」にも、フィナンシャルタイムズやウォールストリートジャーナルが賛辞を寄せており、「これからの『基準』になる」という言辞が帯に記載されています。

 そうすると、グレートリセットとかトランスヒューマニズムとかというわかりやすくアイコニックなディストピアビジョンをWEFが掲げているのはブラフで、覇権構造を転換する工作を裏で進めやすくするためのものに過ぎないのではないかという感じもします。現に、そういうテーマでいろいろな記事や動画やコンテンツが山のように作られ、BANされただのなんだのという騒乱があって、それにかかりきりになった結果インドや中国にどういう会社があってどういう投資を行っているのかということに人々の関心が向かわないようになっている。

 たとえば下記は、日本からでもインドに投資できる投資信託の「インド株式オープン」の組み入れ銘柄ですが、それぞれどんな企業かわかりますか?

リライアンス・インダストリーズ 10.01%
インフォシス 7.97%
ICICI銀行 7.19%
HDFC 7.1%
ラーセン&トゥブロ 3.69%
タタ・コンサルタンシー・サービシズ 3.69%
アクシス銀行 3.5%
インドステイト銀行 3.01%
マヒンドラ・マヒンドラ 2.82%
サン・ファーマシューティカル・インダストリーズ 2.72%

 タタは有名なので名前だけは知っている方も多いかと思いますが、それ以外はほとんどどんな会社か知らないのではないでしょうか。

 少なくとも、疫病に関して憂慮して過ごすよりも、たとえ少額でも次どこに投資すればより高いリターンを得られるのかの戦略を練ることに時間を費やしたほうがよいでしょう。人生は短く、疫病であれ注射であれ飢餓であれ戦争であれ、いずれ必ず死ぬわけですから、できるだけ有意義なことを考えて時間を過ごさなければなりません。